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Tシャツのプリントが剥がれてしまう原因とは?
洋服の中でもTシャツは普段着はもちろん、運動や遊びなどヘビーに使う機会が多いです。そんなTシャツでもデザインがお気に入りだったり大切にしたいものがあれば、できれば劣化させずにずっと着たいと思いますよね。
ちょっとほつれや穴が空いてしまったり、汚れてシミになってしまった!というTシャツ自体の修復方法は色々ありますが、プリント面が剥がれたり割れたりしてしまった場合の対処方はわからないことばかり。今回は、Tシャツのプリントが劣化する原因と修復方法をご紹介しますので、参考にしてください。
劣化原因その1:長年の使用による剥がれ
着用の頻度にもよりますが、普通に使用して洗濯を繰り返しているとだいたい2.3年ほどで襟元など、Tシャツ本体の劣化が出てきて替え時になります。劣化していくほとんどは、プリント面が剥がれて着用できなくなるというより、Tシャツ自体が劣化して着て着用できなくなってしまいます。
Tシャツプリントで使用するインクはTシャツ以上に耐久性はありますが、お気に入りのTシャツを丁寧に使用していたり作りの良いTシャツであれば10年以上着用するのも夢ではありません。
どんなTシャツでもそうですが、摩擦や着用で生地が劣化していけばその分プリント面も少しずつ劣化して行きます。インク自体も劣化していくので長年着用して入れば自ずと剥がれや割れなどの症状は出てくる可能性があるのです。
原因その2:洗濯による劣化
洗濯機の中にはいろいろな衣類がごちゃ混ぜになって汚れを落とすために洗われ…すすがれ…脱水されています。汚れは落ちますが、その分生地やプリント面はダメージを受けます。しかし洗濯しないわけにはいかないので洗濯による劣化は必然と起きてしまうのが現状です。
Tシャツプリントの主流であるシルクスクリーンプリントの仕組み
Tシャツのプリント方法として大まかに上げると、主流であるシルクスクリーンプリント、インクジェットプリント、昇華転写プリント、転写プリントがあります。
インクジェットプリントと昇華転写プリントは、それぞれの性質上剥がれや割れなどの心配はありません。今回は、剥がれやひび割れ可能性としてあげられるシルクスクリーンプリントを簡単にご紹介します。
シルクスクリーンプリントとは?
Tシャツの基本的なプリント方法であるシルクスクリーンプリントは孔版画技法の一種で、インクをプリントするための版を作成してTシャツにインクを刷ります。
インクによっては生地に染み込むインクもありますが、基本的にはTシャツの上にインクを刷って熱乾燥させることにより、生地とインクが完全に定着するしくみになっているのです。
プリントするための版。 この版をTシャツの上に乗せて上からインクを刷って行きます。 青緑部分はインクを通さず、白い部分はインクを通す仕組みです。 |
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版の上にインク、下にプリントするアイテムを置きます。スキージを使ってTシャツにプリントしていく手法です。 | |
スキージを引くと(プリント方法によっては押す)、版のメッシュになっている部分からインクが落ちてTシャツに移る仕組みです。このときの力加減で大きく仕上がりが変わります。 | |
版を上げるとインクが落ちた部分がTシャツに残り、デザインが印刷されます。 印刷されたTシャツをコンベアに入れ乾燥させたらTシャツの完成! |
上の説明でもわかる通りインクが生地に張り付いているため、Tシャツを長年使用していると、生地やインクの劣化によりインクが割れたり剥がれてしまう現象が出てくるのです。
シルクスクリーンプリントに関する詳細はTシャツプリントの主流であるシルクスクリーン印刷と版を徹底解説で記載しています。
シルクスクリーンプリントで一番使用されるのがラバーインクです。【Tシャツプリントの基本】ラバープリントの印刷方法や注意点でインクの耐久などについて記載しているので参照ください。
Tシャツのプリントが剥がれてしまったら修復できる?
お気にりのTシャツだったりすると、長年の着用や洗濯によってプリント面が剥がれたり割れてしまってもどうにか直してもっと着たい!と思いますよね。ダメージが出てしまったプリント面は自分で修復することはできるのでしょうか。
プリントを修復する方法とは?
比較的小さな剥がれや割れの場合の修復方法をご紹介しますので、参考にしてください。
修復する場合はまず目立たないところから。
どれも一時的補修な方法となりますので必ずしも完全に元の状態に戻るわけではありませんのでご注意ください。
修復できるかどうかはTシャツの生地やインクの種類によっても変わってきます。少し作業してから修復ができなそうなら早めに終了させましょう。無理に直そうとすると逆にひどくなってしまう場合があります。
プリントが完全に剥がれかかっているものなど、破損が激しいものに関しては自己修復が難しくなりますので、その時は修復を専門としている業者に相談をしてみましょう。
アクリル絵の具を使って色を塗る
もともとアクリル絵の具は布にも描ける絵の具です。
画材店や100円ショップでも単色で販売されているので簡単かつ揃え安いのが魅力ですね。しかも耐水性があり発色も似ているので、今回紹介する中では一番良い方法です。
着色したい色のアクリル絵の具に水を加えてムラが出ない程度まで柔らかくします。他の布で試し書きをしながら調節して行きましょう。
筆で剥がれや割れてしまった布部分に絵の具を塗ります。インクが完全に乾いたら完成です。一度乾けば洗濯しても剥がれにくくなります。
洋服や他の場所についてしまった場合や、使い終わった筆は、乾燥したら落ちなくなってしまうので乾かないうちに早急に落としましょう。
絵の具を混ぜるための容器は牛乳パックやプラスチックパックなど使い捨てできるものが良いです。
布用ペンやクレヨンで修復する
布に書いてオリジナルのアイテムが作れるペンやクレヨンを使う方法です。布用なので定着すれば洗濯しても落ちにくくまります。修復したい部分に直接ペンやクレヨンを塗り込んでください。基本的にはアイロンで定着させます。詳しい方法は、商品説明を確認してください。
簡単に修復ができるペンやクレヨンですが、どちらもプリントされているインクよりも発色が劣るのでやり方によってはプリント部分と修復部分に差が出てしまいます。
市販されているラバーインクを使用する
ネットサイトなどでシルクスクリーン用のラバーインクが少量で販売されています。商品によって使い方が違うので説明をよく読んでから使いましょう。自然乾燥や高温で硬化させるものなどあるので注意してください。塗り方はアクリル絵の具と同じです。
アイロンとキッチンペーパーで直す
キッチンペーパーとアイロンを用意します。
剥がれた部分よりも大きいサイズにキッチンペーパーをカットしてください。
その上からアイロンをかけます。アイロンの温度が低すぎてもできませんし、高温、長時間あてすぎると他の部分がおかしくなってしまうことがあるので注意が必要です。
キッチンペーパーを引かなかったり当て布でアイロンするとアイロンにインクがついてしまったり当て布がプリント面に張り付いてしまったりするのでキッチンペーパーで行ってください。
修復方法の注意点まとめ
- はじめは目立たない場所でテストする
- アクリル絵の具、インクが他の場所についてしまった場合は、早急に落とす
- 直接プリント面にアイロンがけをしない
- 無理そうなら悪化させないためにも早急にやめる
プリントが剥がれる前に普段の管理を見直そう
プリント面の剥がれや割れが起きてしまう前に、普段の洗濯や収納方法をちょっと一手間かけることでお気にりのTシャツを長持ちさせることができます。
洗濯方法を見直す
プリントTシャツを洗濯するとき、一番理想的なのが一枚ずつ手洗いすることですが、そうも言ってられませんよね。脱いで表の状態で他のものと一緒に洗濯してしまうと、プリント面が擦れて劣化を早める原因になってしまいますので、裏面にして洗濯するだけでだいぶ違ってきます。洗濯ネットに入れるとより効果的です。
収納を見直す
直射日光や高温に当たりすぎるのも劣化を早める原因となります。長年愛用しているTシャツの色が変色して薄くなってしまった!なんてことがありますよね。生地のダメージがあればプリント面のダメージもあります。ひび割れてプリント面が剥がれ落ちてしまう原因になってしまいます。きちんと畳んで収納するのが一番良いですね。
簡単にたためて見た目もスッキリする方法をTシャツ収納が楽になるたたみ方の裏技を画像付き解説します!でご紹介しています。
今回は、Tシャツのプリントが剥がれてしまったときの対処法をご紹介しました。小さな剥がれやひび割れが起きてしまわないように日々の管理をきちんとしていくことも大切になってきます。お気に入りのTシャツをいつまでも着用して行きたいですね。
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ここまで記事をお読み頂きありがとうございました。私たちホシミプリントワークスでは、オリジナルTシャツをはじめとした様々なアイテムのプリントを行っております。
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