Contents
カスレプリントとはデザイン自体にカスレ加工を入れるプリント方法
ラバープリントのベタ塗りの場合、インクがべたっと重い仕上がりになってしまいますが、カスレプリントならラバープリントよりも重くならずに仕上げることができます。また、お手軽にインクが剥がれたようなヴィンテージ感を出すことができます。
生地が軽めのTシャツとの相性はとても良いです。
カスレプリントとは
Tシャツにヴィンテージ感を出すには、ウォッシュ加工やひび割れプリント、ダメージプリントなどの技法を使って古着の風合いを出す方法もありますが、コストがかかってしまったり、堅牢度があまり良くないなどの問題があります。カスレプリントは、デザイン自体にグランジ加工を加えるので、コストも堅牢度も問題なくプリントできます。量産の個体別ムラもありません。
基本情報
特性 | 最低 版数 |
濃色 印刷 |
細部 表現 |
---|---|---|---|
油性 水性 |
1 | ◯ | △ |
価格帯 | 短納期 対応 |
最大サイズ (mm) |
生地種別 |
---|---|---|---|
◯ | ◯ | 通常版:320×380 最大版:380:480 |
綿 :◯ ポリ :◯ ナイロン:◯ |
パターンは無限大
Illustratorや、Photoshop上でのカスレ加工はブラシなどを使用してグランジをかける方法や、無料でグランジパターンを配布しているサイトもあります。
サイトで扱っているようなphotoshopテクスチャは、基本的にはフルカラーの場合が多いです。紙媒体やフルカラープリントの場合はフルカラーでプリントされるので、問題ありませんが、シルクスクリーンプリントではフルカラーテクスチャをそのまま使用することはできません。画像テクスチャをカスレパターンにするには2階調にする加工を必要とします。
同じパターンでも加工の仕方によって違う見え方になるので、カスレパターンは無限大とも言えるでしょう。
【おまけ】 Photoshopで簡単にグランジを作成するで簡単にカスレパターンを作成する方法を記載していますので、参考にしてください。
アパレルで使用される星美製作所オリジナルカスレパターン
オリジナルでカスレパターンを作成する方法もありますが、細かな調整が必要だったり、画像を探すのが大変だったりと言う手間が出てきます。もっと手軽にカスレプリントをしたい場合は、アパレルでも使用されている星美製作所オリジナルのパターンをご用意しています。どれも、プリントテストをし、きれいにカスレプリントができるように調整されています。デザイン打ち合わせまたは、デザインデータにどのようなパターンが良いのかお伝えください。
パターン1 アパレルで多く使用されるパターンです。細かな目が特徴的。生地目に合わせるようにグランジをかけているので、まるでグランジ加工をしていないような仕上がりになります。 |
パターン2 インクが自然に剥がれ落ちたようなパターンです。パターン1よりもグランジが荒いため、はっきりとしたヴィンテージ加工になります。 |
カスレプリントの発色性
デザインにグランジを加えるプリント方法なので、特殊なインクは使用しません。
ただ、グランジがかかっているのでインクをベタ塗りするよりもくすんで見えます。
カスレパターンによってはインクが乗っている部分と乗っていない部分が出てきます。小さな文字が消えてしまう場合があるのでご注意ください。細かなデザインがある場合は、グランジの細かなものを使用することをおすすめします。
カスレプリントを活かしたデザイン
カスレ+グラデーションプリント カスレパターンが細かいので、小さな文字もプリントされます。 細かなデザインにおすすめのパターンです。 |
染み込みインクを使用したカスレプリント 大きめのカスレパターンを使用。染み込みインクでプリントすることによりヴィンテージ感が出ます。 |
ラバープリントを使用したカスレプリント 染み込みインクよりもはっきりした仕上がりになります。 |
【おまけ】 Photoshopで簡単にグランジを作成する
Photoshopのパターンオーバーレイや塗りつぶしを使用して、簡単にグランジを作成することができます。今回は、標準のパターンオーバーレイでのカスレパターンの作り方を、ご紹介します。
【1】Photoshopで新規ドキュメントを開く
サイズ:320×360 解像度:300dpi カラーモード:グレースケール
今回はほかのデザインにも応用できるように、最大サイズで作成します。最大サイズで作成しておけば、デザインサイズが変わったりほかの型番で使いたいときなどでも、使用することができるのでオススメです。
【2】背景をレイヤーにする
パターンオーバーレイはレイヤーが背景の場合、使用できないのでレイヤー化してください。
【3】レイヤーパレットから使用したいパターンとサイズを決める
パターンオーバーレイを選択します。
パターンから、使用したいパターンを選ぶ。今回は、Heavy Weaveを使用します。
比率を調節して、好みのパターンサイズに調整してください。
【4】2階調化して濃度を調整
あまり濃すぎるとプリントされない部分が出て、逆に薄すぎるとカスレ具合が少なくなってしまいます。
【5】グレースケールから2階調にする
解像度:300 種類:50%を基準に2階調に分ける
【6】名前を付けて保存する
フォーマット:TIFF
TIFF形式で保存してください。Illustratorに配置したときに、2階調のTIFF形式で保存するとパターンの色が変更でき、白部分が透過されます。
【7】Illustratorに配置する
配置したときは、塗り・線共になしでTIFF画像はブラックですが、塗りにカラーを入れると、画像にも反映されます。塗り色は何色にも変更が可能です。
生地色、プリント色にすることで完成イメージにすることができます。
変更後使用色 生地:ネイビー インク:ベージュ
Photoshopのパターンオーバーレイを使用したパターンサンプル
Hard Charcoal light | Wax Crayon on Charcoal Paper |
今回は、Photoshopに標準で入っているパターンオーバーレイを使用しましたが、無料で配布されているグランジパターンや、自分でランダムに書いたものでも作成することができます。
その場合は、【3】をパターンオーバーレイではなく、用意した画像を配置させてください。画像をコピーして隙間なく配置すれば、比率も簡単に変更できます。
最終的に2階調にしてしまうので、細かくシームレスにする必要もありません。ちょっときになる部分があったら、消したりほかの部分をペーストしたりする、簡単な修正だけで大丈夫です。
難しそうに見えて、意外と簡単にできるカスレパターンの作成方法。
カスレパターンによって、完成がガラリと変わってくるので、いろいろな画像で試してみるのも良いですね。
カスレプリントのメリット・デメリット
メリット | 一番安価で簡単にヴィンテージ加工ができる。 自分で好みのパターンが作成できるので、完成イメージがしやすい。 データ自体にグランジをかけるので、個体差が出ない。 カスレパターンによっては細かいデザインでもプリントされる。 |
---|---|
デメリット | カスレているので、ベタ塗りのラバープリントよりは発色はくすむ。 パターンによっては小さなデザインがプリントされない所が出る。 |
カスレプリントのまとめ
- 一番お手軽にヴィンテージ加工ができるプリント方法
- プリントムラによる個体差が出ない
- 自分でもパターンが作成できる
- デザイン自体に加工がされているため、堅牢度は問題無い
コストを抑えて簡単にヴィンテージ加工ができるカスレプリント。パターンも多様なので、いろいろなバージョンのストックがあっても良いですね。一工夫加えるだけで単純なデザインもまた違った雰囲気に変えることができます。
パターンが細かく、プリント後にあまりグランジが掛からなかったり、大きすぎてプリントされない部分が出てきてしまうこともあるので、量産前にサンプル作成をおすすめします。
実物プリントサンプルも弊社展示室にて実際に手に取って見ていただくこともできますので、メールまたはお電話にてご連絡ください。
詳細ダウンロード
価格などの詳細はダウンロード資料をご参考ください。
プリント加工のことならホシミにお任せ!
私たちホシミプリントワークスでは、デザイン・製版・プリント加工を一貫して自社工場で行うことで安定した品質を安心価格で提供しております。
ライセンス商品製作(OEM)や出荷代行など、法人様向けにも様々なサービスをご用意しており、大手企業様のノベルティや番組特製キャラクターTシャツなどの制作も数多く行っています。
最短2日後発送と短納期にも柔軟に対応いたしますので、ぜひお気軽にご相談ください。
ホシミでオリジナルTシャツを作りませんか?
ここまで記事をお読み頂きありがとうございました。私たちホシミプリントワークスでは、オリジナルTシャツをはじめとした様々なアイテムのプリントを行っております。
個人のお客様や学生やサークルなどの団体様だけでなく、法人様向けにアパレル製品のOEM生産も対応しています。デザインや納期にお困りの場合でも、ぜひお気軽にお問い合わせください。